「earthの部屋」
〜水草とは?〜
水草とは「水の中で育つ植物」ではなく、
「水辺で育つ植物」のこと。
何が言いたいのかというと、水の中で育たなくても水草として販売されています。
そんなひどい話って。。と思いません?
それを知って販売している店員もいますし、そうでない店員もたくさんいます。
販売しているほとんどの水草が「水の中で育たない水草」で占められているお店も見たことがあります。
そのようなお店はきっと知らないで売っているのでしょう。。
なぜ水の中で育たなくても水草なのでしょうか?
これにはいくつか理由があります。
一つは過去の名残。
一昔前までは、現在のように器具も生育法も確立されておらず、水草をまともに生育することはほぼ不可能でした。
そのため、水草は消耗品扱いで、しばらく枯れなければOKだったのです。
本来は水の中で生育できないものでも、丈夫で枯れにくいものであれば水草として扱われました。
もう一つは、テラリウムの存在。
水槽の中に陸地部分を作ってそこに植物を植え、生き物を飼育するのをテラリウムといいます。
また、水の部分と陸の部分を両方作るのをアクアテラリウムといいます。
このときテラ(陸)の部分に植えられる植物も水草として扱われ、あまり区別せず販売されています。
このような水草は元々水辺に生育しているので、多少は水の中で生きていくことができます。
そのため、ショップによっては水の中に入れた状態で販売しています。
「水草は難しい」という一番の原因はここにあると思います。
本来水中で生育できないものを、水中で育てようとしているなら当然です。
水草を育てるにも正しい知識が必要なのです。
生育が容易な種類・少々難しい種類・そもそも元々水の中では育たない種類、
それさえしっかり把握しておけば、決して難しいものではなくなるはずです。
最後に、そもそも水草とは何なのかについて。
水草のほとんどは「元または現陸上植物」なのです。
生命は海で誕生し、その中から光合成を行う植物が誕生しました。
ところが、ほとんどの植物は海から川へと移動できず、いったん陸を経由しているのです。
植物は海から陸へ進出するにあたり、コケ→シダ→裸子植物→被子植物と進化を遂げました。
コケやシダは完全に陸に適応できておらず、ジメジメした環境を好み、水の中でも平気なものもいます。
コケの代表としてウィローモス、リシア。シダの代表にミクロソリウム、ボルビィス などがあります。
また、完全に陸に適応したはずの被子植物の中からも、水辺に、または水の中に逆に進出したものもいます。
この中には、カボンバやアナカリスのように完全に水中生活に移行したものもいますが、
多くは増水時または雨季の間のみ、特殊な葉(水中葉)を作ることで、一時的に水中で成長する種なのです。
現在販売されている多くの水草は後者に当たり、販売時は水上葉(陸上用の葉)で売られていることも多いものです。
つまり、実際には陸上で育てたほうが簡単で、水中では一応育つことができるという水草がほとんどなのです。
ですが、一応とは言え、水中専用の葉を出すことで長期間の水中生活に適応していますので、
きちんとした設備があれば生育することが可能ですし、水中生育が容易な種も多くあります。
とはいえ、見た目のきれいな種類ほど水中生育ができなかったり、難しかったりするので
水草を購入する際には、「そもそも水中生育が可能なのか?」「二酸化炭素の添加は必要なのか?」「光量の要求量は?」
この三点は事前に確認して置きましょう。(店員の知識がない場合もあるので、注意!!)